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前の男にも秋吉はこんな姿を見せていたのか…。
そんな事が頭をよぎり、知らない前の彼氏に嫉妬心を覚える。
早く、自分のモノにしてしまいたい衝動が湧き起こった。
「今日は?」
再び秋吉の顔の近くに顔を近づけ、耳元で囁く。
「…今日は聞かねぇーの?泊まってく?って…。」
前に秋吉を送って来た時に言われた言葉を引き合いに出して尋ねた。
尋ねながらも、俺は信じて疑っていなかった。
なんかいい感じの返答を秋吉からされて、もう一回キスでもしてから車を降りて、秋吉の部屋に向かう流れだと。
「む、む、無理っ!!!」
秋吉は車内に反響するくらいの大きな声で叫んでから、もの凄い早さでドアを開けて車を降りる。
「お、おやすみ!」
捨てゼリフの様に秋吉はそう言って、俺の顔を見る事もなく、勢いよく車のドアを閉めて来た。
えっ!?
え、え、えっ!??
ちょっと…待て!
「秋吉!」
ドアが閉まるか閉まらないかの瞬間に、引き止めようとかけた声も虚しく、秋吉はそのままこちらを振り返る事もなくアパートへ消えていった。
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