2022人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
アパートの駐車場に近づくにつれて、前回のやり取りがリアルに思い出され、今日の『友達』発言といい、この間の逃げるような態度といい…先日フッと思いついてしまった考えが俺の脳内を支配する。
中学の時の事の仕返し?
秋吉はそんなヤツじゃないと思いたいけど、秋吉の発言や行動が全然理解出来ない。
「どういうつもり?」と聞きたいけど聞けないのは秋吉から真実を聞くのが怖いからかもしれない。
とにかく今日は『友達』発言がダメージがデカくて、秋吉に良い態度を取れていたとは思えないし、悲しみなのか怒りなのか自分でもよく分からない感情が俺を支配している。
そんな事もあって、これ以上秋吉といるのは得策ではないと思った俺は、秋吉の住むアパートの駐車場に着いて車を停め「じゃあ、またな。」と帰宅を促す様に秋吉に声をかけた。
「うん…。」
しかし彼女はシートベルトをギュッと両手で握りしめたまま動く様子がない。
「降りねぇーの?」
「…あ、そーだね…。」
秋吉に再度声をかけると、小さな声でそう返事が返ってくる。
「あのさ、」
「ん。」
何か言いたい事でもあるのかと、彼女の顔を覗き込んだ、その時だった。
「部屋ちょっと上がっていかない!?」
パッと顔を上げて俺の目を見て、秋吉が普段より大きな声でそう言った…。
最初のコメントを投稿しよう!