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「えっ?」
抱きしめていた秋吉の肩に手を置いて、ゆっくりと体を離し秋吉の顔を見る。
「好きな女がそうだったら、嬉しいよ。俺は。」
秋吉に配慮して直接的な表現は避けて伝える。
「佐伯くん…。」
涙を瞳にいっぱい溜めた秋吉に顔を寄せ、ゆっくりと唇を重ねた。
そのまま深く口付けると、「…んっ。」と秋吉が小さな声を上げる。
足に力が入らない様子の秋吉を腕で支えて、しばらく秋吉の唇を味わった後、ゆっくりと顔を離すと目の前には頬を紅潮させてトロンとした表情の秋吉がいた。
右手で秋吉の左頬を撫ぜ、親指で秋吉の唇に触れてみる。
ああ、ヤバいな…。
これは止まらなくなる…。
いや、でもダメだ。
秋吉は初めてなんだから、ゆっくりコトを進めなければ…。
「…こんなエロい顔見せんのも俺が初めて?」
気持ちを切り替える為にからかう様に秋吉に言う。
すると、ただでさえ赤い顔を更に赤くして「…帰ってっっ!!」と叫ばれた。
そして俺の腕から逃れようと必死で俺の胸を両手で押してくる秋吉。
可愛いすぎ…。
「これからはゆっくりな。」
そう俺が言うとからかわれたと気づいた秋吉は、そのまま大人しく俺の胸に頭を預け「お願いします…。」と小さな声で呟いた。
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