友達な理由

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「じゃそろそろ帰るか。」 もう少し一緒に居たいという気持ちがないわけでもなかったが、乗り気じゃなかったのを無理矢理付き合わせた事を考えると早めに解散した方がいいように思えた。 ついでだとアパートまで車で送ると申し出たところ秋吉には断固と拒否され、駅で解散する事となった。 拒否された事実はまたもや俺を小さく凹ませたが、まあ警戒されているのだろうから仕方がない。 「ありがとな、今日は。」 「いや、こちらこそ。」 これで終わりなのか。 終わらせたくはない。 また会いたい。 秋吉に会う機会もなく引きずった思いを抱えていた頃より、いつの間にか秋吉への思いが強くなっていることに気付く。 『あんまりさ、最初っから好意があるんだって見せない方がいいんじゃね?』 ふと脳裏に高橋の言葉が浮かんだ。 『嫌いなやつから好かれてるってわかったら秋吉余計逃げそうじゃねぇ?』 『友達になりたいんだよテーストで…』 『徐々にだ、龍平。』 高橋に言われた言葉が俺の焦った気持ちを落ち着かせた。
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