キスの理由

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嫌な顔一つせず…なんていい女なんだ秋吉…。 ザワリと胸の奥から欲にも似た感情が再び顔を出したことに気付き、俺は慌てて抑えつける様にしてフタをした。 ―――… ―――――……。 「ここなんだけど…。」 秋吉に連れてこられたのはメイン会場から徒歩で5分程離れた場所。 そこは小さな川の脇道。 川の流れる先はメイン会場の川原へと合流しているように見受けられる。 脇道は細くはあるが舗装されていて道と川を隔てて転落防止用にか欄干も取り付けられている。 そして道の川側ではない隣側は昔小さな医院だった古い建物があり、誰も住んでいない為辺りは静けさが漂っている。 ただでさえほとんどの人がメイン会場で花火を観賞する為、メイン会場以外の場所は花火の時間だけは人がほとんどいないというのに更に奥に入り込んだ脇道は秋吉と俺以外に人が居ない。
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