キスの理由

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時々花火の光に照らされる秋吉の表情は子供の様で、純粋に花火を楽しんでいるのか目が キラキラ輝いている。 そんな秋吉を見たら自分の邪な考えが恥ずかしくなり、俺は秋吉の隣で真面目に花火を観賞することに決めた。 8時から始まった花火はおよそ1時間続く。 始まって30分経った頃か、隣で秋吉が頭を左右に動かし始めた。 「何?上見んの疲れた?」 「あ、うんちょっと…。」 秋吉の落ち着かない様子が気になり声をかけると秋吉は肩に手を置きながら苦笑する。 ずっと上を見上げていれば確かに疲れる。 ふと秋吉の細い首が目に留まった。 男に比べて女は首の筋肉が発達していないと聞いたことがあるような気がする。 頭部は男女でそれ程重さは変わらないはずだから、秋吉が疲れたというのも無理もない。 何かもたれ掛かれる様な場所があればな…。
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