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…まさか…今でも好きとか思ってたりしないよな、その先輩の事。
さすがにそれはないだろ。
でも、だったらなんで花火が今でも切ないんだ?
高校から随分年月が経っている。
その間にその時付き合っていた男と楽しい花火の思い出に塗り替えることが出来たはずだ。
…てか、それはそれでムカつく。
でも先輩を思って切なくなるってのも気に食わない。
『これをもちまして、第…回…市…花火を終了致します。…ありがとうございました。』
どこからか花火の終了を告げる声が響いてくる。
その声が途切れると辺りは静寂と闇に包まれる。
「ありがとね。」
秋吉の声が聞こえ、俺にもたれかかっていた体が離れようと動きを見せた。
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