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「寝てた？」
「あ…うん…。」
「着いたから開けて。呼び鈴押しても出ないから電話した。」
そう告げると部屋の中から急にドタバタと音がし始めた。
多分、俺が部屋の前にいるだなんて想像もしていなかったんだろうなと思い、秋吉が慌てふためいている様子を思い浮かべ笑いがこぼれる。
「な、なんでいるの！？」
扉の向こうから現れた秋吉の表情は案の定驚きに溢れていた。
それが可愛くて、思わず噴出しそうになる。
「なんでって風邪引いたんだろ？だから来た。」
「引いたけど、なんで来たの？てか、何で知ってるの！？」
秋吉は俺に質問をぶつけながら部屋へあがるのを促すように玄関の扉を大きく開け、体を扉側に寄せた。
あがっても良いということなのだろうと判断した俺は玄関へと足を進ませる。
やっぱり電話してきた記憶はないのか…。
心の中で電話での甘えたような秋吉の態度を思い出し、顔がニヤケそうになった。
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