告げた理由

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「大丈夫。」 秋吉は弱々しい声でそう答えながら壁にもたれるようにしてベッドから身を起こした。 ……やっぱりここは食べさせた方がいいんだよな…? 人の看病なんてしたこともないから勝手がわからない。 でもよくドラマなんかでやってる気がするし、それがスタンダードなんだと疑いもしなかった俺はお粥をスプーンによそって秋吉の口元に差し出した。 秋吉の目が一瞬大きく見開かれ、その後フイッと目を逸らしたかと思うと意を決したかのような表情で俺の差し出したスプーンをお粥を口に含んだ。 秋吉はその一口を口元を押さえながら咀嚼し終わると、自分で食べるからと恥ずかしそうに手を差し出した。 …間違えた…。 こんなん普通やらねぇーんだな…。 秋吉のその表情に自分も恥ずかしくなる。 素直に器とスプーンを渡し、秋吉が食べ終わるまで俺は秋吉の顔を見ることが出来なかった。
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