2.キミの都市伝説

2/14
前へ
/59ページ
次へ
ドロリとした血臭。 鼻を突く鉄の匂いを感じて、僕は目を覚ました。時刻は午前2時を回ったところだろうか。 鼻先と胸元にぬるりとした生暖かいものがかかっているような感覚を覚える。 「一体なんだろ?」 不快から暗い部屋、手探りに部屋の電気をつける。 一瞬眩しさを感じて、目を細めたけど、すぐに視界が戻り、見慣れた自分の部屋が目に飛び込んできた。 そして‥自分の顔と胸元に付いていた血にも気がつく。 「え‥?」 寝間着の胸元から鼻先にかけて、やや広い範囲が真っ赤に染まっている。少し時間が経っているからか、少し黒ずみ始めている。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加