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悠の真実
抱きしめたまま彼は話を始めた。
「俺は…お前のことが……好きなんだ…」
「え…?」
幼なじみの突拍子もない発言に頭はついていかない。
「俺はずっとお前だけを見てきた。なのに…なんであんな…お前を傷つける,あんなやつを好きになるんだ!誰かに傷つけられたら俺の前でしか泣かなかったくせに!!俺はお前にとってただの幼なじみかよ!!」
「ゆ…う…」
悠は狂ったように叫んだ。しかし今となってはその狂ったような叫びさえ心地いい。
愛されてる。
そう実感するだけで,空洞だった心は埋まっていくようだった。
「ごめん…いきなり叫んで…もう…俺に二度と近づくな…お前に何するかわからない…」
「ちょっと!何勝手に決めつけてるの!私の意志は無視なの!?」
「え…?」
悠は抱きしめていた手を緩めて裕子を見た。
「私は…今,悠が好き!だから!…付き合って?」
「裕子!」
2人はまた抱きしめあった。
長く永く。
二度と離れてしまわぬように。
私は愛がないと生きていけないの。誰かを愛して,誰かに愛されて。
それで生きてるって実感するの。
ねぇ?あなたもそうでしょ?
誰かに愛されたいでしょ?
不安な夜やつらい朝に,誰かそばにいて欲しいでしょ?
できれば,好きな人がいいけどね。
こんな私は,
~恋愛依存症~
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