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すると、騒ぎを聞きつけたクラスメートが集まってきた。
さっきより男が増えて、震えが強くなった。
「…って、紗綾じゃん。風邪治ったんだ?」
彗の親友の翔(かける)が屈託なく笑って、話し掛けてきた。
でも、なにも言えずに、ぐっと唇を噛むだけだった。
「…で、どうした?騒いでたみたいだけど…」
「…ああ、ちょっと…」
「変なことでもした?」
「するか!」
「あははっ。冗談なのに、本気にしちゃってー」
「……おい」
彗と翔のやり取りは、紗綾の耳には届いてない。
心ではわかっていても、体が言うことを利かない。
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