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学校に着いたのは、まだチャイムが鳴る前だった。
一週間ほど熱を出して寝込んでいただけなのに、やけに懐かしく思えた。
同時に、緊張と恐怖に支配されてドキドキした。
「…あっ、さーやだ!」
教室のドアに手を掛けた時、声を掛けられた。
そこにいたのは、小学校からの親友の奈々(なな)と恋水(れみ)だった。
「体は、もう大丈夫なの?心配したんだよー」
「本当に。連絡のひとつくらい、しなさいよね…」
奈々は心配そうに顔を覗き込み、恋水は大袈裟にため息を溢していた。
「…心配かけてごめんね。もう大丈夫だから」
紗綾は困ったように目を細めて、返答した。
そして、親友達と一緒に教室へと入っていった。
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