72人が本棚に入れています
本棚に追加
「いやぁああああっ!!」
瞳に涙を溜めて叫ぶと、彗を拒絶するように思いきり離れた。
男を感じるのも触れられるのも、すべてが嫌だった。
「…やだ……やめて!」
「えっ…!」
「私に触らないで!それ以上、近づかないでよ!」
「……っ!?」
伸びた彗の手は、静かに引っ込んでいった。
その手が震えていたことに、気づかなかった。
同時に、彗を傷つけてしまったことさえも。
最初のコメントを投稿しよう!