弟(1)
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昨年、弟が田舎道で、真夜中殆ど灯りのない畦道を車で走っていたそうで……。 畦から狸が飛び出してきたのだと言います。 不可思議なことで、今まで気付きもしなかった畦道の両脇には、狸達が列をつくり、目を光らせて弟を見ていたそうです。 一匹の狸を轢いてしまう瞬間、その狸と目があったと言います。 その日からでした。 弟の身に、恐怖がふりかかるのは……。
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