弟(1)

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やがて、又ビタンビタンと床に手のひらを叩き付け這っていくと、部屋からも又永い間出ずに、弟をジッと睨みながら起きるのを待っていたらしいです。 しかし、起きない弟にソレは諦めたのか、ビタンビタンと音を立てて出ていったのです。 冷や汗をびっしょりかき、弟はホット目を開けました。 すると、先程のソレの片目が、天井一杯一杯の大きさで弟を見下ろしていました。 弟はそれと目を合わす度気を失い、いつも朝になっているのだとか。 ソレを打ち明けてくれたのは半年後。 弟は疲れ果て、ワタクシメに相談とし漏らしたのです。 気休めに過ぎないかもしれませんが、ワタクシメは9字印を組み、弟に撃ち込んでみました。 何とかその日から、ソレは現れなかったようです。
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