始まり

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白衣を着ており、髪は真っ白。 見た目からでも、相当年寄りだ。 だが、何故かサングラスをかけており、目が見えない。 何故だ? 西田はキャスターからマイクを受け取り、話始めた。 『みなさん、初めまして。西田です。今回私は、とうとうワクチンを造り出すことに成功しました。』 西田はそこで言葉を区切り、マイクを下げる。 ついに、完成したんだ。 これで母さんが助かる。 西田は再びマイクを上げ、話し始める。 『しかし、今の段階ではワクチンは極少数しか造れませんでした。いや、正確には造りませんでした。』 「………は?」 西田から発せられた、信じられない言葉。 舞い上がっていた気持ちが消え、俺はテレビを食い入るように見た。
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