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いつものジャージ姿ではない、阪口さんの私服。紳士的な印象に思わずドキドキしてしまう。 待ち合わせ場所にまだ全員は揃っておらず、阪口さんはタバコを吸って辺りをうかがっている。 うちは旦那が来ると思っているようで、私達の存在にまだ気付いていないようだ。 「おはようございます。」 「あ、おはようございます。あれ、お父さんは?」 「それが…、熱が出ちゃって。私が代わりに来ました。一応、運転はできますし。でも、私が迷惑でしたら、透だけでもお願いできますか?とっても楽しみにしていたのに、行けないなんてかわいそうで…。」 阪口さんの表情が少し曇ったのがわかった。 「あの、ムリな「お父さん、一人で大丈夫です?病院とか?」 「それほど酷そうではなかったし、自分で行くって言ってましたよ。それよりは、透を甲子園に、と思ったみたいです。」 「大丈夫なら、…ぜひお供をお願いします!!一人だと運転にしても、子供たちにしても、何だか心配だったんで、助かります。」 満面の笑みを浮かべて話してくれるその表情にドキドキしながら、思わず、力いっぱい首を縦に振る。 「お役にたてるかわかりませんけど、今日一日、よろしくお願いします。」 私も笑顔で応えた。
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