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到着時間を逆算して、甲子園は第三試合まで見て帰ることになった。 時々プレーの内容を教えたり、自分達の練習内容を考えさせたり、と指導しながら観戦しているところがさすがだな~、と改めて感心していると、余程ほけーっと阪口さんを見ていたんだろう。 耳元で 「そんなに見つめて…、惚れちゃった?」 とイタズラに囁かれてしまった。 一瞬、私の中の時が止まり、言葉の意味を理解できたとき、顔の火照りをごまかす事が出来なかった。 悟られてはいけないと、真っ赤な顔のまま切り返す。 「野球を語る阪口さんってイキイキしてていいですよね。」 …しまった。言葉のチョイスを間違えたか? 少しの間、沈黙が流れた。 「…っ、あの「ありがとう」 阪口さんの表情は柔らかい。そんな返事が返ってくるとは思っておらず、 「どういたしまして。」 と、なんとも気のきかない返事しかすることが出来なかった。
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