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しばらくすると、隣からも寝息が聞こえてくる。
静かな車を運転するのは、どうも苦手だった。行きも、先程までも、会話があったのでオーディオは付けていなかったが、みんな寝てしまったので、適当にオーディオを触ってみる。
…あっ、ミスチル。
自分も何かしていないと睡魔に負けそうで、ミスチルの曲を口ずさむ。
30分くらい経っただろうか。
突然、腕を掴まれ声をあげることができないほどに驚いた。
掴まれた腕を見ると、阪口さんの顔も肩の近くにあり、二の腕にも違和感がある。
…な、何してるんだ?阪口さん。
肩に阪口さんの温もりを感じると同時に二の腕にも違和感がある。
どうやら、阪口さんが二の腕をプニプニと触っているようだ。
起こすべきか、迷っていると、
「あっ、ごめんね。ビックリしたよね?助手席で寝ちゃうと、どうも運転手の二の腕を触っちゃうんだよね~。変な癖でしょ?」
「驚いたけど、大丈夫ですよ?変わった癖ですね。」
…二の腕触るとか、反則だよ。ドキドキしちゃう…。でも、そんな癖があるなんて。可愛い、阪口さん。
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