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「お前の言い回しはたまによく解らない。もっと簡単に言ってよ」
要約が面倒だから全て投げ出すと、
「空から美少女が降って来ないかなと淡く儚い願いが俺にもある、という事さ」
もっと面倒になって戻ってきた。
「その願いが三次元に起きたらグロく儚い願いになるだろうけどね」
飛び降りか何かだったら後味最悪だしね。高さによってはキャッチしようとしても自分を巻き添えにするだけで、某ジブリ作品のようにはいかない。
「ふっ」
僕のツッコミに満足した様子ではないが、トウギが笑った。
「――願いは、次元だって変えられるんだぜ」
空からトウギが降って来ないかな、というグロく儚い願いになら変えられたらいいよね。僕はそれをキャッチしてやらないけど。
「……現実と創作の区別は付けようよ」
ここ、多分僕らみたいな、いわゆるヲタクと呼ばれる者達にはかなり大事な事だ。
「ばっかおめぇ、当たり前じゃねぇかよそんなの。一緒にしたら――二次元に失礼だろうがっ」
握りこぶしを作って力説するトウギ。彼みたいな開き直った馬鹿を人は『ただの馬鹿』と呼ぶ。
まぁ、概ね同意だけど。
「いきなりですがトウギくん。二次元が三次元に勝る点は? はい、その1」
「夢があります!」
「その2」
「愛があります!」
「その3」
「希望があります!」
「その4」
「萌えがあります!」
「その5」
「キャラが皆可愛いです!」
「その6」
「基本的にブサイクはメインに居ません!」
「その7」
「っ……肌が、とても綺麗です!」
「その8」
「……! ……す、スタイルが、大変、よろしいキャラばかりです!」
「その9」
「っっ!? …………ポロリも、あるよ……?」
「その10」
「ちょっと待てツカサいや願わくば某忠犬ハチ公並に待ってくれ! これはいつまで続くんだ!?」
まあ打ち合わせ無しじゃこんなもんか。ちなみにその4以降はほぼ全部同じだ。
「はい、というわけでトウギは4点な」
「1問1点にも満たない!?」
いやそれはトウギの解答に間違いがあったからだ。
「惜しかったねトウギ。あと96問で100点だよ」
「100問もあったのか!? ミジンコ並にも惜しくねぇし!」
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