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―御乗車有難う御座います。私は、当列車の車掌で御座います。以後、お見知りおきを―
おや?あなた様は、少々変わったお客様でございますね。長年、車掌を勤めておりますが、あなた様の様な乗客は初めてですよ。
ああ、申し訳ございません、私とした事が説明をするのを忘れておりました……当列車は、普通の列車ではございません。
ええ、空を走ってる時点で察しはついているでしょう……行き先、でございますか?
それは、お客様次第ですよ。 ああ、あなた様は、特殊なようですので、戻りたい時にいつでも帰る事が可能ですよ。
さて、続きを宜しいですか? この列車の乗客は、大抵が訳ありです、何か心に深い何かを抱えた方のみを乗せて走っております。
一度、乗ったからには、簡単には降りれませんよ……自分で抱えたモノは、自分で解決しなければ……当たり前の事でしょう?
ああ、ですから、あなた様は、大丈夫ですって、落ち着いて下さい。
何でしたら、私の仕事を見てみますか?
退屈でしょうし、暇つぶしになる筈ですよ。
ご心配なく、ただ私と一緒に居て、車内を回るだけですよ。
ああ、もし戻りたいなら、私に一声掛けてからにして下さいね。さあ、参りましょうか。
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