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「御乗車有難う御座います。私は、この夜汽車の車掌でございます。どうぞ、お見知りおきを」
アナウンスが静かな車内に聞こえ、おれは、目を覚ます。
列車特有の音と揺れが身体を揺するのを感じながら、周囲を見た。誰も居ない。
「何処だよ」
窓を眺め、開口一番に出た台詞は、それだった。
何故なら、陸では無く、夜空を走っていたのが一番の原因であるからだ。
「参ったな。漫画やテレビの見すぎだな」
小学生の時、夜空を走る列車を題材にした小説や漫画などを読みふけり、それに乗ってみたいという空想をしたのを思い出し、俺は、ため息をついた。
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