第一話 「苦悩」

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「おれって、おかしいのか?18年生きてて、将来なりたいモノややりたい事が明確じゃないと変なのか?みつけた奴は、どうやったんだよ、どうすりゃいいんだよ!!」 車掌からの言葉は無い、だが、おれは、構わずに続けた。 今までの不安などを全て吐き出す、誰にも聞かせた事がない胸の内を車掌に全部、ぶちまけた。 一方的に喚き散らすと、長い沈黙が漂う……そして、今まで黙りだった車掌が漸く口を開いたのだった。 「月岡様は、悩んでいるのですね。正に分岐点に立たされているわけだ」 「そうだよ。そう言ってるだろ」 おれは、多少、苛つきながら答える。 影響を受ける様な人物に会ったわけでも、何かに感銘した事も無い……ただ流れに身を任せ、何となく今まで生きてきたのだ。
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