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「杉サマ」とは、うまいこと名付けたもんだ。
内心そう思いながらくすりと笑う。
美形に「様」をつける慣わしはないが、あの男には誰がつけたかわからない、まるで銀幕を彩った往年のスターのようなアダ名が相応しかった。
黒髪の映える白皙の整った面立ちと、下唇がややふっくらとした朱色の唇。
すらりとした体躯と併せて見ても、上品な雰囲気がどことなく漂う。
涼やかな眼差しの彼がメガネなんてかけようもんなら、多分ここの女子は例外なく参っちまうんだろうな。
銀縁より黒縁だな。黒縁……。
……という隼人の勝手な妄想を、
「何でしょうか、佐伯一尉」
感情を押し殺した、慇懃な声が遮った。
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