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――何だ、彼は?
僕の都合も聞かず、失礼じゃないか……!
「佐伯一尉から直にお呼び出しなんて一体何したんですか? 杉本さん」
ふと気付くと紘平の傍らには真琴がいて、手元を覗き込んでいた。
「お店、何なら私が一緒に行っても」
紘平は首をしっかり横に振る。
「駄目ですよ。予め一尉にご了解いただかないと」
「じゃあ私、このお店に晩御飯食べに行きます」
顔を歪めた紘平に気付かない真琴は事務所の皆に振り返り、右手を挙げた。
「居酒屋『松代』、晩御飯行きたい方――挙手願います!」
事務所で勤務中だった八人のうち、紘平を除く七人が挙手するという結果となり、
「よし」
真琴は満足そうに頷いた。
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