2.お前が嫌いだ

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 未遂に留めたのかもしれない。  そして訊いてみたところで、泣いていた理由は斎藤しかわからないと言うに違いない。  ああ、納得できない。  紘平は歯がゆい思いをぶつけようかどうか、タイミングと自分の覚悟を模索する。 「でもまさか……そこまでカミングアウトされるとは思ってませんでした」 「誤解されたままでいるのって、すっきりしないし」  そう言って微笑する隼人は、固い表情の紘平を一瞥し、烏龍茶を喉へ流し込んだ。 「じゃ、今度は俺から質問ね」  やはり明るい隼人の口調に、紘平は居を正す。  ……見た目よりずっと短気だな、この子。  そして人見知りで人間嫌い。  気難しいなー……。  二人きりの懇親会は、調達課事務所で隼人が抱いた所見を裏づけることばかりだった。  当然、紘平が自分の話に納得していないのはとうにお見通し。  逆に少し突っ込んだ質問をしてやろうと悪戯の虫が騒ぎ始め、隼人はほくそ笑む。
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