2.お前が嫌いだ

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「女と長続きしないのは、これが原因? ……それとも、元々生身の女に興味がないか」  黙ったままの紘平を見つめて、素っ気なく言った。 「図星らしいね」 「!」  かっとなって反射的に出した右の平手は、あっさりと手前で受け止められる。 「実に華奢だねー、杉サマは」  言葉を聞き終える前に手首を捻り上げられた紘平は、堪らず呻いた。 「はん、恋愛対象は二次元か。不毛だな」  そのままうつぶせに押し倒されたベッドが大きく揺れた。  紘平の耳元に唇を寄せた隼人が低く囁く。 「今後のために覚えておけ。生身のプレイの愉しみ方、とかな」 「くっ」  耳たぶを唇で軽く食まれて鳥肌を立てながらも、紘平はもがいた。 「はな――離せっ、この」 「うるさいなあ、もう」  呆れた声音。 「男なら、潔くしな」  ――冗談じゃない。 苛立ちを超えた感情のままに、声を上げた。 「こんなの潔く受け入れられるわけないだろっ」
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