怨念

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「幼い頃、よくわしの父親が母に隠れてその写真を見ておった。それと同時に、この箱を恐ろしい顔で睨む姿をよく覚えておる……」 取り出した箱をテーブルに置き、再びソファーに腰掛ける。 「隠れて見ていたってまさか……」 と、美香が言うと。 「ワハハハ、そう父の昔の恋人だったのじゃ」 豪快に笑う真柴だが、一緒に笑える訳もなく、四人は苦笑を浮かべる。 「オッホン。まあ、隠れて見ていたのは確かだが、その女性もまた呪いの犠牲者でな……。中身を見るまで気付かなかった。父はその女性を救うために、呪いついて調べていたようだ」 「では……」 「うむ。三年前、この箱の存在が急に気になって頼んだのじゃが……正解であった。箱の中には、廃村になる前の確かな情報が詰まっていたからの。そして、これが――後悔を綴る村長の遺した手記じゃ」
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