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零は高校二年の夏休みに友達と海へ行くと、一泊二日の旅行に出掛けていた。
両親は『受験勉強の気晴らしに行って来なさい』と心よく送り出したのだが、二日経っても帰らず……。
しかも携帯も繋がらない始末であった。
そんな息子を心配した両親は、警察に捜索願いを出したのである。
ところが、捜索は困難を極めた。
なぜなら一緒に行ったであろう友達も分からず、高校の同級生に連絡をとっても、零と海に行っている友人は一人もいなかったからである。
そんな絶望的な状況のまま一週間が過ぎようとしていた――。
その真夜中である……。
玄関でドンッと扉に何かがぶつかる物音が聞こえた。
両親は警戒しながら玄関に近付き、その扉を開く。
すると、そこに零が傷だらけの状態で座っていたのである。
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