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真柴は言った。選択された者は本来、館に残された者の助けを求めている夢は見ても、逃がそうとする夢は見ないと。
それは、友人を残して来てしまったと言う罪悪感を誘う悪夢である。
その話を踏まえて考えれば、記憶の断片だと言う可能性は否定出来ない。
そしてデキモノの変色については、おそらく呪いが発動するまでの間だけ、肌色であったのではないかと憶測した。
つまり、美香の話をきっかけに発動してしまったのではないかと言う事だ。
美香は、零の隣で泣きそうな顔をしている……。
「美香、そんな顔をしなくてもいい……。自分でも調べていたんだ。いずれ廃村の噂話に辿り着いていた筈だ」
「でも……」
零は優しく美香の頭に手を乗せた。
「大丈夫だ……」
零の優しい声と仕草に、美香は頷きながら、ポロポロと涙を膝へ落とし始めた。
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