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パンっと真柴は自分の膝を叩いた。 「よくぞ言った! 本来ならば、君を引き止めるつもりでおったが、君の記憶喪失は、ただの記憶喪失ではないように思える。それ故、何か期待をしてしまう。それと、この呪いを終わらせたいと思う気持ちは、わしの長年の祈りでもあるからの……」 『ただの記憶喪失ではない』その言葉は零にも理解出来た。まるで呪いの影響から護るような働きをしていたと感じたからだ。 零が考えを巡らせていると、真柴は中指のない手を見詰め、呟いた。 「どうやら、決着をつける時が来たのかも知れんな……」 「決着ですか……?」 零の質問に真柴は首を横に振る。 「いや、なんでもない。それよりも、夢の話を続けるが良いかな?」 呪いを終わらせる為には必要な情報だと、真柴は加えて説明をした。 必要な情報と聞いて、零達は真剣な表情になる。 その表情を見た真柴は夢について、ゆっくりと語り出した。
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