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「確証はないが、そう考えるのが自然であろうな……。ただ、あの男が『彼』であるのならば、君達は二人の内一人に会っている事になる」
堪らず美香が質問をした。
「じゃぁ……夢に出て来るって言うその女性を見つければ、呪いは無くなるってことですよね? 先生?」
「いや、厳密に言うと、二人の亡きがらを指しているのではないかと、わしは思うのじゃ。麻美君達もそうではないかと確信しておったようじゃが……」
ループの法則を考えれば、その可能性がもっとも有力である。
夢に出て来る女性が、法則を無視して生きているとは考えにくいからだ。
「実はの、この三年の間にこの話を裏付ける事実を得る事が出来たのじゃ……。君に話さねばならぬと言ったのはこの話の事なんじゃが……その前に、麻美君にも話したもう一つの方法を先に話すが良いかの?」
覚悟を決めた零には、もはや必要のない情報である。
しかし、麻美がその方法を拒んだ理由を知る事も必要だと感じた零は、頷いて見せた。
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