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「真柴先生、確かに昨夜の出来事や先生のお話しを聞いて正直に言うと……僕は怖くて堪りません」 僅かに膝の上に置かれている指先が震えていた。 零はその震えを打ち消すように強く握り絞めると、決意の宿るその瞳を更に強めたのである。 「ですが……その恐怖よりも、いずれ大切な人に過酷な運命を背負わすと分かっていながら、僕は――死ぬまで平然と生きてなんかいられないんです!」 零の力強い意思が、その場に居た全員へと響き渡る。 真柴はその言葉を噛み締めるように深く頷き、優しく微笑んだ。 「もう何も言う事はないのぉ……。君の心意気は充分に伝わった。ここからは全力で君達のサポートをする事を約束しよう」 言うと、真柴は緊張感ある雰囲気を醸し出し、続けたのである。 「さて……先程の呪いの解除に繋がる手懸かりとなる話しをするがよいかな?」 「はい! 宜しくお願いします」 「うむ、この話は廃村になるよりも前、そうわしが生まれるよりもっと以前の話じゃ……。最近になって知り得た、事の始まりから話すとしよう……」 真柴の重々しく響く声が、部屋の空気を再び張り詰めた物へと変化させたのであった。
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