214人が本棚に入れています
本棚に追加
告白をした人物とは、村長の息子、黒谷武<クロタニ・タケシ>である。
以前より、咲枝に想いを寄せていた武は、あの日……パーティーで飲み過ぎたため帰り道で座り込んでいた。
暗い夜道で半ば泥酔し、道端で座り込む武を帰宅途中で見かけた咲枝は、気さくに笑顔で声を掛けて来たと言う。
そして、想いを寄せていた女性。
純白のドレスを着た咲枝の笑顔を見た武は、酔いもあり理性が保てず――事もあろうに、野獣の如く襲い掛かってしまったのだ。
突然の出来事に驚いた咲枝は、当然必死に抵抗する。
だが、拒めば拒むほどに武は逆上してしまった。
ついには咲枝を押し倒し事に及ぼうとするが、ここで武は正気を取り戻す。
いや、取り戻すしかなかったのである。
何故ならば、咲枝は倒れた勢いで頭を石に強打し、血を流したまま呼吸が止まっていたのだ。
正気になった武はあわてふためく。
咲枝を抱き起こし、身体を揺さぶるが……ドクドクと流れ出る血液で、純白のドレスが赤黒く染まるだけだった。
最初のコメントを投稿しよう!