怨念

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「これを取りに行ったからお兄ちゃんの指輪が残っていたのね……」 真奈がボソリと呟く。 「ん、指輪がどうしたのじゃ?」 真柴が、村長の手記を手にした所で動きを止め、真奈へ顔を向ける。 「いや、俊也さんの指輪が机の下に落ちていたんですよ」 と翔が真奈の代わりに答えた。 「斎藤君の……。そうじゃったか」 暗い表情の真奈を気遣い、翔は話題を戻そうとする。 「それにしてもあれですね! はじめに聞いた噂話では、パーティーを開く度に村人がいなくなるって話でしたけど、やっぱり噂は当てにならないですよね」 「ふむ……パーティーを開く度にか……。君の言う噂話はあながち嘘ではなかったようだ。先程の話には続きがあってな。事実は、全てこの手記に書かれておる」
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