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真柴は、手に持つ黒い封筒から数枚の手紙を取り出し、そっとテーブルに置いた。
「この手記の中には――村長のおぞましい行いと、我々の望む――呪いを解くヒント。三年前に伝えられなかった、正臣と咲枝の眠る遺体の場所が記されておった。しかしな……」
「遺体の場所……!?」
話しの途中で言葉が重なる。
はやる気持ちから零の身体が自然と前のめりに。
その期待する様子に、真柴は重いため息を吐き、テーブルに置かれた手紙を無言で開いて見せた。
「しかしな。肝心の部分が塗り潰されていたのじゃ」
四人は手紙を食い入るように見る。
すると確かに最後の三行だけが黒く塗り潰されていたのだ。
一体何故と言った視線が再び真柴に集中する。
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