目眩

5/20
前へ
/213ページ
次へ
祈るように両手を合わせてお願いをしている。 美香の怖いもの好きには本当に困ったものだと、その様子を呆れるように零は眺めていたのだが。 「ハ~ッ。話を聞いたら勉強の続きをしてもらうからな……」 「オッケー、オッケー、任せてちょうだいっ! 零兄ちゃんにも関係あるかも知れないんだから、ちゃんと最後まで聞いてねっ?」 零は怪訝そうに眉を潜めた。 「どういう意味だ?」 「まあまあ~。続きを聞いてくださいよっ!」 続きを聞くしかないと悟った零は両肩を上げて見せる。 「ふぅ。……分かった、続きをどうぞ」 そうして、ようやく本題に入れると満足そうに笑顔を作り、美香は話し始めたのである。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

214人が本棚に入れています
本棚に追加