214人が本棚に入れています
本棚に追加
祈るように両手を合わせてお願いをしている。
美香の怖いもの好きには本当に困ったものだと、その様子を呆れるように零は眺めていたのだが。
「ハ~ッ。話を聞いたら勉強の続きをしてもらうからな……」
「オッケー、オッケー、任せてちょうだいっ! 零兄ちゃんにも関係あるかも知れないんだから、ちゃんと最後まで聞いてねっ?」
零は怪訝そうに眉を潜めた。
「どういう意味だ?」
「まあまあ~。続きを聞いてくださいよっ!」
続きを聞くしかないと悟った零は両肩を上げて見せる。
「ふぅ。……分かった、続きをどうぞ」
そうして、ようやく本題に入れると満足そうに笑顔を作り、美香は話し始めたのである。
最初のコメントを投稿しよう!