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そんな山に、落ちこぼれた少年が独り。
お誂えむきと言うには、皮肉(スパイス)が効きすぎだろう。
これじゃあまるで、傷の舐めあい。忌み嫌われた山にまですがるオレは、情けないを通り越して何かが終わっている。
自傷的な独白に、自嘲的な笑みさえこぼれてしまう。
こうなると、もう止まらない。
負の感情が心を苛み、それはまるで黒い重油のよう。
マイナスベクトルの思考は狂ったように螺旋を描きながら暴走し、いつも答えのない疑問にぶちあたって、無責任に感情を散らかしてゆく。
世界で一番不幸なつもりか?
そうやって逃げ場を作って、自分の意のままにならない世界から逃げるのか?
自らに問うても、答えはない。
――否、見つからない。
わからない。
つまらない。
くだらない。
救いのない。
不条理は不条理のままに。
そんな、歪んだ。
こんな、腐った。
世 セ
カ
界 イ
な
ら
――いっそのこと、崩壊してしまえばいいのに。
――最初から、なかったことになればいいのに。
そんなことまで考えてしまうオレは、いつの間に歪んでしまったのだろうか。
いや、もとからこんな性格だったのかもしれない。
それさえも、わからない。
世界に見放されたオレに、果たして生きる価値があるのか。
ついこのまえまで綺麗に見えていた世界は、ふとした拍子にがらりと表情を変えていまではすべてが灰色に。
なにかにすがってまで、自分の心を保とうとすることが日常に。
このままで、いいはずなんてないのはわかっていたのに。
ただそれを変えるだけの勇気が、不条理と戦う覚悟が、オレにはなかったのだ。
臆病者に手をさしのべる神なんて、どこにも居やしない。
くる、くる、と。今日も世界は、廻る。
一人の人間なんか、眼中にない。と、いわんばかりに――
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