~その人が仰るには~

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―――1. ―――キンッ! それは金属が一瞬て斬り裂かれるような、風を鋭く断ち切ったような、鋭い抜刀音。 私の目の前には、およそ現代人が振るえるとは露にも思えない凶器と思える、本格的な造りの長い柄の戦術槍(スピア)の刃先があった。 しかも喉元に寸分の狂いもなく、ピタリと添えらる、丁寧なお仕事をされて。 私もそれが戦術槍(スピア)だとわかるのには、さほど時間は掛からなかったけど、私は腰が抜けて微塵にも動けず、自分の生命がもう少しで終わる事を想像すると、少しも嬉しくはなかった。 さらに、このそれをしているのが自分の知る人だとするなら、尚更…… 私は目の前の人物の名を緊張で出ない声を無理矢理絞り出した細く小さな声で、呟く。
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