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「どうしてって?って、決まってるでしょ………友達ぃ?最初っから……ぜ―――――んぶ、嘘だよ!騙してアナタを殺す、それだけよっ!!」
「……うそ?」
「キャハハハハハハハハハハハハハっ!!」
過剰なぐらいに、体を張り詰めた弓のように反らせ、周りを気にせず高笑いする。
まるで不意に壊れた笑い人形みたいに狂い笑う。
でもその高笑いは突然止んで……
「……キャハ、ソンじゃ……バッハハ~……イッ!!」
戦術槍(スピア)を逆手に持ち替え、躊躇の欠片もなく私に向けて一気に振り下ろしてきた。
……どうして?
そんな言葉も、彼女には届かないんだ。
高校生活初めての友達に……私は殺される。
そして私が最後に仰ぎ見るのは、夕方のはずが不自然に蒼く染まり、凍ったように動かない、冷めた周りの風景。
……死ぬ間際だから、世界まで冷たく見えるよ。
神様、酷いなぁ……
そして、苦悶の顔で体が真横くの字に曲がり、右から左へと視界から消える彼女の姿……
―――え!?
―――何故??
その時は何が起きたかなんて判らない。
けど、私の目の前で『何か』は起きた。
そして蛙を潰した時の悶絶音に似た鈍い音が、遅れて耳に届いた時……私はその声を聴いた。
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