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―――1.
「―――きりーつ、礼!」
午後の授業が終了。
委員長の号令と共に授業の終わりを告げるチャイムが鳴る。
時刻は15時。私は礼の後、着席して腕を伸ばして鈍った体をほぐした。
窓の外は、初夏の色が漂う、爽やかな風景。
そして、ホッとしたのも束の間、楽しくクラスメイトが周りで話す声が私の耳に入り、一気に気が滅入った。
この日は私こと、天導理緒がこの高校に転入してから1ヶ月が経とうとしていた頃だった。
偏差値の高い高校で、不安があった勉強はようやく慣れ始めたけど………単刀直入に言います。
未だ私には友達がいない。
出来ないのです。
ホームルームが終わって放課後。普通なら友達の一人や二人と一緒に、ありふれた順風満帆のアフタースクールライフが待っている。そう思う人が大半でしょう。
でも、私にはそんな友達は一人もいない。
何故か!?
……私がただ引っ込み思案なだけなんです。
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