001 私と『彼』

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編入当時は、季節外れの転校生と言うことで、けっこう注目はされて、話も出来た。 けれど、時間の経過と共にクラスメイトは私から離れていった。 元々人付き合いはあまり上手でなく、むしろ流れに、誘われるままに付いて行くタイプの私。今までも誘われると付いて行き、呼ばれずはそのままだった。 高校生にでもなれば変わるかな、と思っていたけど、その目論見はやはり 甘かったと言うべき。 最近は空気になりつつある自分に嫌気が……と、思っていたのでしたが、最近半分はそうでない事が判明しました。 よくクラスメイトを観察すると、私を意図的に避けていました。 ……いえ正確には、その原因……私の『後ろの人』を避けていたんです。 「………」 ………ガタッ 背中越しに、椅子を戻す音のみが聞こえ、足音もなく去る後ろの人。恐る恐る振り返ると、そこには誰もいない席が一つ。 その人がいなくなる間、えもいわれぬ威圧感が私に向けられて(正確には周辺にも)常に発せられていました。 ……いえ、いなくなっても、まだいるみたいに恐い気が。 ……何でいつもこうなのか、理由は解りませんが、正直怖いです。 「……はぁ、毎日こうだと私に話し掛ける人どころか、近付く人すらいなくなるわ。まあ、みんなの気持ちもわからなくないけど……」 誰もいなくなった後ろの席をまじまじと眺めながら、つい愚痴をこぼした。 「―――何?彼の事が気になるの?」 突然、声を掛けられた。
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