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夜道、カラオケで暑くなった体を風が冷ましてくれる
「いやぁ、今日も歌ったな」
フリータイムで最終までの6時間は二人で歌うにはあまりにも長く、少々声の涸れてる粋久はそれでも満足げだ
「やっぱ久しぶりに歌うと気持ちいいな」
駅の駐輪場へともう人の通りもかなり減った道をのんびりと歩く二人
澄みきった空には夏の大三角が輝いている
「そろそろ、大学の事も考えないとな」
遊んでばかりの二人は今更の様に近い未来の事を考える
「ま、まだ1年あるしゆっくり考えればいいんじゃね?」
そんな事を呑気に話してる二人は気づかない
辺りの雰囲気が変わった事に
いくら夜とはいえまだ10時だ
人はおろか一切音がしないのはおかしい
「なんか、静かだな」
「カラオケ行ってたし耳が少し狂ったんじゃね?」
気づかない
…トキガキタ
無音の世界の中で突然声が響き渡った
「ッッ?!なんだ、なんかき…」
次の瞬間にはそこには何もなかった
始めから何もなかったかのように
それから警察に二人の捜索願いが出されたのは6時間後の事だった
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