5人が本棚に入れています
本棚に追加
ズーン…
隅っこで体育座りになって
落ち込む勇者。
「はぁ…インコがいつまでたっても起きないから嘘ついてまで起こしたのにぃ…ご飯抜きだなんて…はぁ…」
何回もわざとらしく
ため息をつく勇者。
「……。」
「この前だってさ
本当はインコが当番だったけど俺は文句一つ…一つも言わずにだよ?代わったのにさ…それなのにインコはさ…」
機嫌を損ねた子供の様に
グチグチ言い続ける勇者。
「その前だって…」
「あぁああ!!!!
グチグチグチグチうるさいわっ!お前は女かっ!…とは言え俺も悪かったわ。ほれっ。」
そう言うとインコは
何かを勇者に投げた。
「よっと。…何?これ。」
「胡桃。お前殻つきの見たこと無かったっけ?」
「…うん。」
「…ま、何も無いよりかはましかなって思ってさ。」
途端に満面の笑顔になった勇者。
「やった♪やった♪
ありがとインコ♪わーい♪」
「ふっ…やれやれ
(まだまだ子供だな)」
そんなこんなで
勇者とインコの一日が
始まった。
「あれ…インコの方が
でかくない?」
「ん?気のせい気のせい~。(そういうとこはちゃんと見るんだよな…)」
「…ま、いっか♪」
ガリッ─────
──────ッ!?!?
勇者の歯がぼろぼろになった。
「──ッ!───…!」
声にならない声を出し
悶える勇者。
(殻つきのまま食べるとか
バカでもやらないって…)
改めてインコは勇者はバカ以上で可哀想な奴だと思った。
最初のコメントを投稿しよう!