愛するが故に‥

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小雨舞い散る初秋の晩 君は何を思いますか? 月明かりの下キラキラ煌めき かよわく溢れる涙の雫 震える肩に添えた手 顔も見れずうつむく瞳 静かに響く空の泣き声だけが聞こえる あの頃のような‥あの日のような 無邪気で無防備な子供のような君に会いたい 何気なく過ごした時間(トキ)に 共に過ごした時間(トキ)に 掛け替えのない大切な時間(トキ)に戻りたい 枯れることを知らずただただ流れる 悲しみの結晶達 精一杯の気持ちを込め 勇気を出して吐いた言葉 君にはただの刺(トゲ)でしかない 剣を突き立てて‥青き血を浴び‥ 悲痛に歪む君に怯え心閉ざした 一度交わった心でさえ 二度と交わることはない あまりに漆黒な夜の空が僕には痛い どれだけの涙を流したのだろう どれだけの声を発したのだろう 涙も声も枯れ果て床に崩れる君 辛く苦しむ君に何も出来無い無力な自分 (きっともうあの頃に戻ることは無い) 疲れ果てた君に‥倒れた君に‥ 受け止める事も手を差し延べる事も出来ない 何気なく過ごした時間(トキ)に 共に過ごした時間(トキ)に 戻ることが出来たならどれだけ幸せだろう もう、後戻りは出来ない ≡世界で一番愛した人        ~さようなら~≡
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