マッチ売りの少女

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少女は人通りの多い広場に行くと、大きな声で客引きを始めました。 「さぁさぁ、皆さん!!今年のクリスマスは奇跡が起こりますよ!!この普通のマッチ、すってみるとどうなると思いますか!?」 少女は近くにいた青年に尋ねました。 「え、僕?ま、マッチだから燃えるんじゃないかな?」 青年は戸惑いながらも答えてくれました。 「普通か!?お前の頭の中は一般庶民か!?お前は一生平々凡々なのだから頭の中くらい華やかにしろよ」 少女は優しく答えてくれた青年を見下し、罵りました。 とんでもない奴です。 青年は平々凡々と言われたことがあまりにもショックだったのか、その場に崩れ落ちました。 「さぁ、この素晴らしいマッチを擦ってみましょう。」 少女は青年を無視して話を続けます。 「マッチさん、私は鮭とばが食べたいの。私に夢を見させてくださいな。」 また食いものかよ!! しかも、味覚がおっさん!!
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