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少女がすったマッチの炎のなかに鮭とばが映ります。
「「「おぉー!!」」」
観客から大きな歓声が上がりました。
「これは、夢を見させてくれるマッチです。夢を見ていられる時間は、この炎が燃えていられる間だけ・・・」
少女は悲しそうに燃え尽きたマッチを見つめました。
「それはあまりにも短いな。」
「買おうと思ったけれど、やっぱり止めようかしら。」
「マッチが燃えている間だけなんて・・・お金を払う価値なんてないよ。」
観客の瞳には先程までの輝きはなく、その場を去っていこうとするものもいました。
そんなとき、少女は美しく微笑んで、観客を見つめました。
「儚いからこそ、短いからこそ、夢は輝くのではないでしょうか?その一瞬のなかに本物の輝きが宿っているのではないでしょうか?」
その言葉に観客はハッとしました。
「実現不可能な夢もこのマッチがあれば見ることができます。」
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