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「んー、人魚姫の声と引き換えに足を与えるとか?」
魔女自身も代償についてよく分かってないようです。
「あぁ、それくらいならいいよ。」
いいんかい!!
「私の声は美しいとか言われてるけど、本当はかなり音痴だし、声低いし、喋れないのは不便だけど、どうせ人間と人魚の言葉なんて違うだろうしあっても意味ないから別にいいよ。」
実は音痴だったという衝撃告白に魔女はショックを受けているようです。
「そ、それだけじゃないのよ!!あなたが王子を好きになって、その王子が他の女性を愛してしまったら貴方は泡になって死んでしまうのよ!?」
魔女はとってつけたようにそう言いました。
本当に人魚姫の身を案じているようです。
「私、王子なんて胡散臭いもの好きにならないし。王子なんて最悪よ。金銭感覚ないし、我が儘だし」
人魚姫のお前が言うな。
「いいのは顔だけだし、自分の尻拭いも出来ないくせに口だけはいっちょまえだし。」
だから、お前が言うな。
「私は王子なんて好きにならないから大丈夫。」
人魚姫はとにかく人間になりたいらしい・・・
「・・・人間になれば、魚を食べなきゃいけないのよ。」
魔女の言葉に人魚姫は固まってしまいました。
「さ、魚を・・・」
「それって、共食いよ?」
魔女はニヤッと笑って追い討ちをかけました。
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