赤ずきん

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昔々、あるところに赤ずきんという女の子がおりました。 赤ずきんはいつも赤い頭巾をかぶっていました。 元気で可愛らしい女の子で、街の人からとても愛されていました。 そんな赤ずきんにある日お母さんはお使いをたのみます。 「赤ずきん、おばあちゃんが風邪を引いて寝込んでしまっているみたいなの。山の中のおばあちゃんの家までお使いに行ってもらえないかしら。」 そう言った母親を赤ずきんは睨み付けます。 「おばあちゃんが寝込んでるですって!?お使いなんかじゃなく、一緒に暮らすように準備するのが先じゃない!?独居老人を見捨てておくつもり!?孤独死させるつもりなの!?自分を育ててくれた親を放っておくなんて酷いね!!あんたは鬼の子だよ!!」 赤ずきんは軽蔑したような目で母親を見ました。 「もしかして、村八分かい!?火事と葬式しか面倒見てもらえないっていうあれかい!?おばあちゃんがそんなに嫌いなの!?」 「いや、あの、そうじゃなく」 矢継ぎ早に母親を責める赤ずきん。 母親は困ったように眉を下げました。
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